2006/10/19//Thu.
黒髪の君。
長い夢を見た。

夢の中で、あたしは雑誌を
顔に伏せた侭、寝てしまってた。
部屋のドアが開く音がする。
ベッドの軋む音がして
誰かがあたしの傍らに腰掛ける。

『寝てんの?』

苦笑いするみたいに呟いて
彼はあたしの顔を覆っている雑誌を取る。
あたしは瞼を閉じた侭、眠ったフリを続ける。

『久し振り』

顔を近づけて、彼が囁く。
低くて、心地よい聲。

『大きくなったな』
彼の顔が、瞼の裏に浮かぶ。
長めの黒髪の向こうで、優しく細められた黒い瞳。
彼の顔を、見ようと思った。
綺麗なその顔を。

目を開けたとき、夢からも覚めて
いつもの自分の独りの部屋で
泣きそうになった。

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